こんにちは!
これから不動産投資を始める方、あるいは既に物件を購入した方の中にも「持ち家は不動産投資に不利になるのでは?」と、そのような懸念を持っている方もいるのではないでしょうか。
1年前にマイホームを買ったばかりだけど どうなんだろう…
うしくんも不動産投資を始めた頃、同じように悩みいろいろと思いを巡らせました。というのも うしくんが自宅を購入したのは、1棟目物件の購入とほぼ同じタイミングだったからです 笑
私の考えを先に言うと、持ち家は買っても問題ないと思っています。実際にうしくんは自宅マンションを購入した後も問題なく不動産を買い進めています。しかしながら、厳密には不動産投資の足かせになってしまうマイホームとそうではないものとがあるのも事実です。
その家のスペックや借入条件によるところが大きいのかも…
そこでこの記事では、不動産投資家が持ち家を買うべき理由と買ってはいけない家3選というテーマで、不動産投資と持ち家との関係についてご紹介したいと思います。
・不動産投資を始めたいけどマイホームもほしい
・既にマイホームを買ったけど不動産投資ができるか心配
・不動産投資で不利にならないマイホームの特徴が知りたい
Contents
1.マイホームを買うべき3つの理由
不動産投資家がマイホームを購入すべき理由としては以下の3つが挙げられます。
・生活の満足度が上がる
・銀行に対する信用情報になる
・超低金利が追い風になる
一つずつ見ていきましょう。
1-1. 生活の満足度が上がる
なんだそんなことか…
と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、とても重要なことです。
そもそも皆さんはなぜ不動産投資に関心を持たれたのでしょうか。
目的や目標は人ぞれぞれだとは思いますが、いまの生活をよりよくしていきたいと思って不動産投資を始められた方も多いはずです。なかにはFIREしたい、セミリタイヤしたいと思って一生懸命不動産投資に取り組んでいる方もいらっしゃるかもしれませんね。
もちろんそれ自体は尊いことですし、ある程度の資金ができるまでは生活を切り詰めたりガマンが必要だったりすることもあると思います。
いわゆる投資のタネ銭というヤツだね
でも、不動産投資で自由になることを夢見るばかり、今の生活がガマンばかりで彩りのないものになってしまうのではあれば、それは本末転倒と言わざるを得ません。
奥さんの理解も必要だしね…
特に住宅の満足度は日々の生活に直結します。あまりに贅沢なマイホームは必要ありませんが、日々の生活の満足度がちょっと向上して、今日からの活力になるのであれば、マイホームの購入を検討してもいいのではないでしょうか。
1-1. 銀行に対する信用情報になる
これについてはどんなマイホームか、その金融機関(支店)の融資姿勢がどうかという点が大きいのですが、持ち家がある=信用がある人として見てくれる金融機関もあります。
ちゃんとした会社に勤めていて、マイホームも持っている。
だからちゃんとしたヒトなんだ!っていうことだね!
また、住宅ローンを滞りなく返済していればそれが返済実績となり、融資承認が下りやすくなるというケースもあります。ですので、自身が住宅ローンを借り入れている金融機関に対して融資を打診してみるというのも一つの手です。
もとより昨今は個人の与信だけで融資がおりるような融資情勢ではなくなりましたが、マイホームに対する金融機関の評価の一面として捉えておいて損はないと思います。
既にマイホームを持っている人で、自分の借り入れ可能額が知りたい!
という方は INVASE(インベース) のようなサービスもおススメです。
条件を入力すれば(会員登録は必要です)、無料で投資可能額とローン条件を推定してくれるので、自分がローンをいくらまで組めるのかを調べたいという人は一度利用してみてもいいでしょう。
1-3. 超低金利が追い風になる
マイホーム購入は残債とローン返済の追いかけっこという考え方があります。
住宅購入時によーいどんで始まった追いかけっこはほとんどの場合が残債≧想定売却額という状態でスタートします。
この状態から毎月ローン返済を行うことで残債<想定売却額としていきたいのですが、金利が高い場合は金利分の返済がかさみ、なかなか残債が減っていかない、つまり残債>想定売却額という状態のまま推移していくという状態に陥りがちです。
その点で、昨今の超低水準金利におけるローン返済では元本がサクサクと減っていくため、比較的短い期間で残債<売却額とすることも難しいことではないでしょう。
もちろん、借入額や持ち家のスペックにもよるけどね!
残債<売却額という状態になればいわゆる含み益を抱えた状態になるので、不動産投資においてマイホームが足かせになるという懸念も小さくなります。
ただし…
想定売却額=銀行の評価額というわけではないので、その点は注意が必要です。
仮に想定売却額が残債を超えている状態でも、銀行はその通りの価格で評価はしませんので、やはりマイホームの購入は慎重に検討したほうがよいともいえます。
また、各金融機関が個人に対して行う融資の額には上限があるので、どうしても宅ローンの借入分だけは不動産投資の借入額が小さくなってしまうことは踏まえておいたほうがよいでしょう。
2.買ってはいけないマイホーム3選
もし不動産投資家がマイホームを購入する場合、なるべく買うのを避けたほうがよい家があります。
ここで重要なポイントは融資を行う金融機関がその持ち家をどう評価するか、ということです。
できれば評価額≧残債という形になっていることが望ましいのですが、金融機関が用いる評価方法では建物部分の評価が厳しいために、残債≧評価額となってしまうケースが多いものです。
債務超過!
マイホーム購入に慎重な不動産投資家が多いのはこのせいかも。
以上のことを念頭に置いて、
ここでは金融機関から評価が得られにくい持ち家を3つ紹介します。
2-1. 新築建売
金融機関からの評価という点では新築の建売はおススメできません。
建売には販売価格にハウスメーカーの利益と宣伝広告費が多分に載せられており、その結果、建設コストに対して割高な価格で購入することになってしまうからです。
また、金融機関の評価方法では土地分は一定の評価が出ますが、建物分は渋めの評価になりがちです。そのため、自宅の購入においては土地値に対して建物価格を低く抑えることが重要になります。
ちなみに…
土地分:相続税路線価 × 面積
建物分:再調達価格 × 延床面積 ×(残耐用年数÷経過年数)
で評価します。
テストには出ないので覚えなくていいよ
しかしながら、新築建売はこの建物部分にメーカーの利益が多く載ってしまっているため、必然的に建物分の費用がかさんでしまいます。そのような住宅をローンで購入すると、残債>評価額となり、債務超過と判断されてしまうのです。
債務超過の持ち家は融資を受ける際の足かせになってしまうため、新築建売のマイホームは避けたほうが無難と言っていいでしょう。
2-2. こだわりの注文住宅
先ほど「新築建売」のところで、購入価格に対して建物部分は評価が出にくいということをお伝えしました。
その観点から説明すると「こだわりの注文住宅」も避けたほうがよい物件といえます。
その理由は建設コストです。
うしくんの友人も昨年、注文住宅という形で念願のマイホームを建てました。
その友人いわく
メーカーとの打合せの際、いわゆるオプション部分は高くついてしまい、
こちらの要求通りに進めるとなかなか費用がかさんでしまう…
とのことでした。
つまり、こだわって建てた自宅ほど建設コストが高くなり、建物部分の費用がかさんでしまうということです。
そうなると必然的に購入価格も高くなり、残債>評価額となってしまいます。また、物件のリセールバリューという点も見過ごせません。
リセールバリューとはつまり売却時の価格のことですが、もし必要に迫られて自宅を売却せざるをえなくなった場合、いくらこだわって自宅を作っていても、その費用は売却価格に反映されにくいものです。
売却額がローンの残債を上回っていて売りたくても売れない!という状態だね
哀しいかな、あなたにとってのこだわりは他人にとってはどうでもよいオプションだったりするのです(どーん)!
もちろん、家族の満足度のためにこだわりの注文住宅を建てたい!というのであればこの限りではありません。ただし、こだわって作った注文住宅は思ったほど銀行から評価されず、リセールバリューにも反映されにくいということは覚えておいたほうがよいでしょう。
2-3. 郊外の区分マンション
リセールバリューという観点で言えば戸建てよりもマンションのほうに分があります。ただし、価格が落ちにくく銀行からの担保評価も得られやすいのは都心のマンションに限ります。
マンションは立地が命なのです。どーん!(2回め)
仮に都心から遠く離れた郊外に自宅を購入した場合、価格こそ手ごろなものが多いかもしれませんが、そのリセールバリューは思ったほど期待できません。
SUUMOなどのポータルサイトを見てもらえばお分かり頂けるかもしれませんが、立地がイマイチな築古区分マンションは驚くほど低い価格で売りに出されています。これは郊外の区分の需要が小さいために起きている事態であり、需要がなければ価格はどんどん下がり続けます。
また、区分マンションは土地値がほぼないため銀行からの評価も多くは期待できません。つまり、銀行からの評価もリセールバリューも期待できないという状態ということです。
土地値って重要なんだね
売却せず住み続けるにしても住宅ローンを受けて購入していれば残債>評価額となる可能性が高く、また、繰り上げ返済するにしても手元のキャッシュが減る割には物件の担保価値が期待できないという事態に陥ります。
そのため、郊外など需要の低い区分マンションは不動産投資の足かせになる可能性が高いと言ってよいでしょう。
3.買ってもいいマイホーム
では、不動産投資家が買ってもいいマイホーム、不動産投資の足かせになりにくいマイホームとはどんなものでしょうか。
3-1. 土地値の比率が高い家
住宅の建物部分と違って、一般的に土地は経年で価値が下がっていきません。
金融機関側も持ち家の担保評価を下す際には、建物部分よりも価値が下がりにくい土地のほうを評価する傾向にあります。
そのため、不動産投資家がマイホームを建てる際には、土地値に重きを置いて建物をほどほどに…という戦略を取れば、持ち家がマイナス評価になる可能性が低くなります。
ちょっと応用編になりますが…
住宅ローン控除期間はしっかりと借り入れておいて、控除期間が終わった10年目(13年目)に繰り上げ返済して一気に建物分を完済するというのも一つの手です。
3-2. 都心に近いのマンション
価格が上昇するという視点では東京都内のマンション1択になりますが、近年の首都圏マンション平均価格は6,000~7,000万円で推移しており(2021年首都圏平均は6,123万円※出典不動産経済研究所)、もはや一般庶民の手の届く範囲ではありません。
しかしながら、価値が落ちにくいという観点では、都心に近いマンションのほうが有利なことに間違いはありません。
それは地方都市においても同じで、特に再開発が成功し今後の期待感から地価が堅調な札幌、仙台、広島、福岡などの中核都市は、2021年7月時点で、コロナ禍においても地価が下がっていません。※日本経済新聞2021年3月26日
東京、大阪、名古屋の3大都市圏はコロナ禍で繁華街を中心に地価が下がりつつありますが、それでもマンションの価格は全国的に上昇傾向にあります。
もちろん今後の動向は誰にも読めませんし、いま買うことで高値掴みになってしまうという懸念もあります。
材料・人件費などの建築コスト、住宅ローン金利&控除、株価、
このあたりが絡んでこれまではマンション価格が上がっていたんだね!
一方で、国がコンパクトシティの形成を後押ししている背景と、都心に人気が集中している昨今の状況を考慮しても、都心に近いマンションの価格が下がりにくいとの見立ては常識を大きく外れたものとも言い切れないでしょう。
また、マンションは比較的流動性が高い、つまり出口戦略を取りやすい物件とも言えます。
郊外のマンションはなかなか買い手を探すのに苦労するケースもあるかもしれませんが、人気のエリアであれば、その利便性から買い手を探しやすい傾向にあるといってもいいでしょう。
4.まとめ
ここまでの内容をまとめると以下の通りになります。
・新築建売
・こだわりの注文住宅
・郊外のマンション
・土地値の比率が高い家
・都心近くのマンション
と、ここまでいろいろなことを述べてきましたが、結局のところ、融資の判断は金融機関ごとに異なります。(ちゃぶ台返しのような展開になってしまってすみません…)
ですので、買いたいと思う物件が出てきたときに、実際にいくつかの金融機関に物件を持ち込んで融資を打診してみないことには本当のところは分からないものです…
4-1. 売値≧残債が重要
ただし、住宅ローンを組んで自宅を買う場合、やはり売値≧残債となっていることが最低条件と言っていいでしょう。
残債が売値を大きく上回っている場合は、金融機関からマイナス評価を受け、不動産投資を行う上で足かせとなってしまいますので注意が必要です。
ちなみに…
自宅の売却価格を見積もるにはネットの一括査定サイトもおススメです。
いくつかの不動産会社が見積額を出してくれるので、こういったネットサービスを利用するのも一つの手といえます。
4-2. 何よりもキャッシュが重要
最後になりますが、金融機関がお金を貸したい人は何よりもキャッシュを持っている人です(銀行に勤めるうしくんの友人談)
いくら評価の高い持ち家を持っていようが、属性がよかろうが多額の現金を持っている資産家にはかないません…
現金>固定資産というのがその人の評価に直結するのです。
4-3. 家を買いたい人が取るべき戦略
先にも述べましたが、不動産投資を行う上で現金を持っているか否かは非常に重要な要素といえます。
昨今の住宅ローン金利は歴史的な低水準にあります。そのため、もし自宅を購入する場合にはフルローンで購入してできるだけキャッシュを温存すればいいと思います。
ちなみに…
うしくんは変動0.4~0.5%の住宅ローンを組んで、毎年1%の住宅ローン控除を受けています。
いわゆる逆ザヤというやつで、2022年の税制改正からはもうこのスキームは使えませんが…
少し話がそれましたが、これから持ち家を買う人においても、超低金利のいまはできるだけ頭金をいれずにローンを組んで、キャッシュを温存することをおススメします。
もし変動金利を組んでいて金利が上がっても現金があれば繰り上げ返済もできるね!
手元に現金があれば不測の事態にも備えることができますし、不動産購入後に想定外の修繕が生じた場合などにも対応できます。
Cash is Kingとはうまくいったもので、不動産投資においてはいかに手元に現金を残していくかというのが重要な要素になるのです…
といったところで今日はモーおしまい!
この記事が何かみなさんの参考になったなら幸いです。バイバーイ