おれは経済的自由王になる!
…こんにちは。
冒頭のうしくんのような願いを持って不動産投資の航海に繰り出した私でしたが、
勉強を始めた当初ははっきり言ってどのジャンルから勉強をすればいいのか
全く見当がついていませんでした…
書店に行けば、
アパート、マンション、戸建て、区分所有、新築ワンルーム、民泊、築古再生など
多彩なジャンルの本が置いてあり、
ネット上では「新築ワンルームはやめとけ!」「いや、節税や年金対策になるぞ!」
などと色々な情報が溢れています。
いたずらにいろんな情報を集めては結局どの情報も正しく見えて
何から始めていいのか分からない…そんな毎日を送っていました。
もちろんどの情報にも一理あり100%間違いなんてことはありえないのですが
100%大正解ということもありえません。
だからと言って
「よっしゃサラリーマンの与信を活かして1棟マンションから大物買いじゃ~」とか
「やっぱり新築ワンルーム!いや大学近くの女性向けシェアハウスかしら」
などと自分が興味のあるジャンルから始めようとすることはオススメできません。
不動産投資初心者が1棟目を購入するにあたっては
自身が取り組むジャンルの選定というのはとても重要な要素といえます。
また、初心者の1棟目という観点では
取り組むべきジャンル、手を出すべきでないジャンルは確立されているといってもいいでしょう。
そこで この記事では
不動産投資のジャンル(手法)について
- それぞれの特徴を理解、整理したい
- 初心者がジャンル選びで気を付けるべきことを知りたい
- 初心者向きのジャンル、不向きのジャンルを知りたい
そんな方に向けて記事をまとめています。
主に初心者向けですが、
既に不動産賃貸業に取り組んでいる方もよかったら復習という趣旨で ご覧いただけると幸いです。
Contents
1.不動産投資のジャンルと特徴
冒頭にも述べましたが
不動産投資と一口に言ってもそのジャンル(物件種)は様々で
購入する物件が異なれば、当然取れうる戦略も変わってきます。
そこでここでは不動産物件のジャンルを
- 区分マンション
- 戸建て
- 1棟アパート
- 1棟マンション
の4種類に分けて、それぞれの特徴を解説してきたいと思います。
【長所】
需要があるため出口戦略をとりやすい
小額からでも始めることができる(中古の場合)
1室単位のため管理がラク
【短所】
キャッシュフローが出ない(新築の場合はマイナスも)
拡大スピードが遅い
管理費や修繕積立金などの管理コストが割高
新築ワンルームではぼったくり業者も横行
【長所】
需要があるため出口戦略をとりやすい
賃貸需要もあるため客付けがしやすい
少額から始めることができる
【短所】
面積が大きいためリフォーム費用が高額
キャッシュフローが出ない
融資が出にくい
拡大スピードが遅い
【長所】
キャッシュフローが出る
拡大スピードが速い
【短所】
良い物件はすぐになくなる(競争が激しい)
中古は修繕費用などコストがかかる
価格が高く初心者にはリスクも大きい
【長所】
資産性が高い
キャッシュフローが出る
拡大スピードが超速
【短所】
流動性が低い(売却先が限られるため)
価格が高く初心者にはリスクが大きい
以上が物件ジャンル別のおおまかな特徴ですが、
それぞれなんとなくででもイメージをつかんでいただけたでしょうか…!?
1棟ものは初心者にはハードルが高そう…
アパートやマンションなどの1棟ものはキャッシュフローが多く投資規模を拡大しやすい
というメリットがありますが、投資金額も同様に高くなるため
参入には銀行からの融資を受けることが必須条件となります。
ただし、昨今の融資条件は厳しいため
不動産投資初心者にフルローンがでることはなく、物件の1~3割程度の自己資金と
購入時の諸費用は自己資金で用意する必要があるでしょう。
このあたりは後ほど詳しく解説します。
2.新築か中古か
各ジャンルの特徴以外にも
「新築と中古か」という点は押さえておくべきポイントといえます。
【長所】
長期の融資が組める
客付けがしやすい
リフォームの必要がない
【短所】
退去の度に家賃が下落する
投資金額が大きいため利回りが低い
【長所】
新築よりも投資金額が小さい
家賃下落リスクが小さい
高い利回りを狙える
【短所】
融資期間が短い
修繕費用が高額になることもある
上記に挙げていない特徴の一つとして
キャッシュフローという観点も見逃すことはできません。
一般的に新築の場合、物件種に関わらず取得費用が高額になりがちなため
キャッシュフローは出にくいと言っていいでしょう。
投資規模を拡大していくためにはキャッシュフローが出る物件を買い
手持ちの現金を厚くしていくという意識が重要です。
したがって、投資初期の段階では 中古(築古)の戸建てやアパートといった
投資金額が小さくて利回りが高いジャンルから取り組むのが王道と言えます。
利回りは工夫次第で高くできるもの!
良い物件は自分で作り出すという意識が大切だよ
新築物件については、一口に「新築」といっても建売か自ら建築するかで少し様子が異なります。
一般的に新築建売の場合は販売会社の利益が載った価格で売り出されていることが多いため、
割高な物件となっているケースが多いと言っていいでしょう。
一方、自ら土地を仕入れてアパートやマンションを建築する場合
高利回りな物件を相場以下の金額で取得することも可能です。
ただし、割安な土地を探したり信頼できる建築業者と提携したりすることは
初心者にとってハードルが高いため、
興味がある人でも『経験を重ねたのちに挑戦しよう』という感覚でとらえるくらいがちょうど良いでしょう。
3.融資情勢は厳しい
規模の拡大スピードを速めるためには
銀行から融資を受けてアパートやマンションを購入する必要があります。
ただし,ここで一つ留意しておかなければならないのは
昨今の融資情勢は厳しく,
初心者に対して初めからフルローンやオーバーローンが出る可能性は極めて低いということです。
2018年,スルガ銀行の一部の支店において,
シェアハウス向け融資で不正が常態化していたことが明るみになり,金融庁から同行に対し行政処分がなされました。
当該の不正融資問題では,多くの不動産投資初心者が被害に会い,
多額の借金を抱えた結果,自己破産寸前にまで追いつめられるという事態に発展しました。
その後スルガ銀行は元オーナー257人に対し借金を帳消しにする異例の措置を発表
出典:日本経済新聞「スルガ銀行、シェアハウス手放せば借金帳消しに」2020年3月25日
<https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57204620V20C20A3EE9000/>
以降,全国で融資の引き締めが強まり,
現在では熟練した不動産オーナーでさえもフルローンやオーバーローンを引くことは難しくなっているようです。
そんな中,不動産投資初心者が1棟目から多額の融資を引いてアパートやマンションを購入することは
現実的とはいえません。
というよりも「買いたくても買えない!」という状態ですので,
現在は初心者が手を出せるジャンルは自ずから限られてしまうのです。
初心者はまずは焦らず物件購入やリフォームのための費用を貯め,
政府系の銀行から一部融資を受けるなどしながらコツコツと始めていくのがいいでしょう。
ローンがひけないという言うことは
多額の借金を受けた初心者が失敗して
自己破産してしまうリスクが減ったともとれるよね…!
4.初心者が絶対に手を出すべきでないのは『新築ワンルーム』
数あるジャンルの中で最もおススメできないのが「新築ワンルーム」です。
区分マンションは管理費や修繕積立金などの管理コストが高くなりがちですが,
その中でも新築は物件の購入費用も高額なことが多いため,
どうしても利回りが低くなり、キャッシュフローが出ないものです。
仲介業者からもらう資料の利回りが良くても
運営上の諸費用や家賃下落リスクを再計算すると
実質利回りが超低水準に…というのはよくあることだよ
キャッシュフローが出ないばかりかマイナスになるケースもありますが,
仲介業者による「年金代わりになる」,「節税対策になる」といったような営業トークに載せられて
マイナスのキャッシュフローを受け入れ,購入に至るケースもあるようです。
ただし,これは一概に購入者側が悪いとも言い切れないようにも感じています。
多くの人にとって低リスクで支出が減らせる「節税」という言葉は魅力的に映りますし,
引退後の不安から「年金代わり」の投資先を探すという行動も理解できます。
しかしながら,不動産投資は投資ではなく「不動産賃貸業」という事業ですので,
事業収支がマイナスな状態を維持し続けるというのは事業として健全な状態とは言えません。
繰り返しになりますが,不動産投資初期の段階ではキャッシュフローにこだわり
手持ちの現金を厚くしていくというのが王道です。
新築ワンルームの購入はその王道から外れてしまうだけでなく,
収支がマイナスの場合,次の融資への足かせになってしまうこともありえます。
経験を積んだ上で中古の区分マンションに投資するという選択肢がオススメできないわけではありませんが、
キャッシュフローを得つつ早期に投資規模を拡大したい場合、
新築ワンルームは避けるのが無難といえるでしょう。
5.初心者の1棟めにおススメのジャンルは『中古戸建て』
では、逆に初心者におススメのジャンルが何かというと、
それはずばり「中古戸建て」です。
詳しい解説は以下の記事
をご参考いただければと思いますが、
中古戸建てが「初心者が経験を積みながら投資規模を拡大していくことができる」ジャンルであることが
最大の理由です。
投資の王道は『小さく始めて大きく育てる』ことですので、
まずは中古戸建てから勉強を始め、コツコツ経験を積んでいくことをおススメします。
6.目標から逆算して投資ジャンルを決めよう
ここで言う目標とは
「得たいキャッシュフロー」と言い換えてもよいでしょう。
まずは自身が月々に得たいキャッシュフローの額とその理由について整理してみるといいと思います。
例えば、「毎月の基礎生活費となる25万円が必要!」という場合なら
そこから逆算して購入する物件を検討するということです。
この場合、月々の家賃収入50万円、返済比率50%で目標のキャッシュフロー25万円に到達するわけですが、
大まかに
- 戸建て ×2棟 = 7万円(家賃収入14万円 ー 返済7万円)
- アパート×1棟 =18万円(家賃収入36万円 ー 返済18万円)
で、このキャッシュフロー25万円に到達します。
もとより、こんなに単純な話ではありませんが、
仮に月々のキャッシュフローが2万円の区分マンションなら13戸以上買わなければ目標には到達しません。
このようにして得たいキャッシュフローを明確にすることで、
どのように物件を買い進めていくかという戦略が見えてくることと思います。
まずは中古戸建てから初めて経験を積みながら、
コツコツ戸建てを買い進めていくか、アパートを購入して規模の拡大に努めるか
自分自身と相談しながら進めていくといいのではないでしょうか。
いっしょにがんばっていきましょう!
モー